うつ病などのメンタルヘルス疾患。診断名がついて安心できる人とできない人の違い

弱っている人へ
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なんだか最近体調が悪い、、、、

頭が良く回らなくてしんどい、、、、

職場の人間関係で消耗してもうダメだ、、、、

そんな悲痛な状況で潰れかけていた、あなた。内科や脳神経科では原因が分からず、最後の砦の心療内科でやっと診断名がついたと思います。ですが、中々体調が戻らない。というか、いつ元気になるかよく分からない。そんな不安と次は戦っていることでしょう。

このように、うつ病をはじめとしたメンタルヘルス疾患においては診断名が決まったとしても安心できない場合が少なくありません。じゃぁ、安心できる人はどんな人なんだよ!って声が聞こえてきそうですね。

そこで、今回は安心できる、安心できないの境目がどの部分にあるのかを説明していこうと思います。

診断名がついて安心する心理

そもそも診断名をもらうと僕たちはなぜ安心した気持ちになるのでしょうか?あまり考えたことがないので、すぐにはわからないですよね。

実は診断名がつくと「治るものだと」認識するから安心するんですね。人というのは「わからないもの」にものすごく恐怖や不安を感じます。ですから、原因が分かったと思えることが安心につながるのです。

そして、もう一つ理由があるんです。それは「治してもらえる」とおもう気持ちが強くなるからです。

治してもらえると思う理由

僕たちが普段病院にかかる場合は「治してもらう病気」を診てもらうことがほとんどです。たとえば、

  • 風邪
  • 腹痛
  • 食中毒
  • 骨折
  • 外傷
  • 肌荒れ
  • やけど

などは、全て病院に行き薬を処方してもらい貼付か服用で治ります。重症度が高い場合でも大体手術をすることで「治してもらえる」のです。その先入観があるからこそ、僕たちは「病院で診断してもらった」という結果を得たときに「治してもらえる」と無意識に思い込んでしまうのです。そして、安心することになります。

うつ病はすぐ治らない

ただ、うつ病は、すぐ治るものではありません。治療に時間がかかるのです。症状が軽い場合でも抗うつ薬を飲んでから効果が出るまで約2週間。体を慣らしながら必要量まで引き上げるには1か月くらいかかることは普通です。下手したら、合う薬を探すだけで半年1年かかることもあります。ですから、診断名がついてちょっとだけ安心したのもつかの間、「あれ?いつ頃良くなっていくのだろう、、、」という不安にさいなまされるようになります。

他の精神障害や精神疾患も同様

これは、うつ病以外のメンタルヘルス疾患も同様です。

  • 双極性障害
  • 統合失調症
  • 発達障害
  • パーソナリティ障害

など、全て治療は時間がかかるものです。そして、症状が完解しきらず付き合っていかなければいけない場合も少なくありません。だから、診断名がついても安心できるかどうかはわからないんですよね。

キーは薬と休養

では、全ての精神疾患・精神障害者が安心できないのか?と言われると、そうでもありません。診断名がつくことで、安心することができる人もいます。

それを分けるのは「薬」と「休養」という二つのキーワードです。

合う薬が見つかると安心できる

診断名がついて、安心できるかどうかを分ける最大のポイントは「処方薬」です。

なぜなら、診断名が分かると効果のある治療薬がどれかわかるようになります。そして、自分に合った処方薬が見つかれば、苦しんでいる症状を軽くすることができるからです。しかも、自分の努力はほぼなくてOK。だから、診断名をもらうかどうかよりも、自分に合う薬が見つかるかどうかの方が大事です。

それさえ見つかれば、症状を抑えつつ社会復帰をすることができます。後は、再発をしないため業務負荷を下げていけばいいだけですね。

ただ、合う薬が見つかることって中々ありません。飲んでみて、多少良くなるものの劇的によくなるようなものはありません。ですから、安心しきらず病気と向き合っていく姿勢が大事になります。

診断名があると休養をとれる

診断名がつくことで安心できる二番目の理由は、休養をとることができることです。診断書を医師に書いてもらうことにより休職という制度を利用できます。

確実な治療方法はない状況ではありますが、基本的に休養することで症状が緩和します。ですから、休職制度を利用することで退職することなく体調を安定させ、職場に戻ることができる可能性が高まります。

これは、大きな安心につながりますよね。何よりも仕事をし給金をもらえなければ生活ができませんから。診断名がついたら社会保障である健康保険から傷病手当という給付金をもらうこともできます。ですから、休職中に給料が支給されない場合でも必要最低限の生活を続けることはできます。

<補足>
所属している会社によっては休職制度がない場合もあります。その場合は、病欠扱いになり無給になるでしょう。最悪、退職扱いにされることもあります。ただ、診断名がついていることと、一定の条件を満たしていれば社会保障の健康保険より退職後も基本手当をもらうことができます。
そうすることで、一定期間の生活は保障されますので少し安心することができますよね。
(国民健康保険には傷病手当という制度がありません。ですから、あくまで社会保障の健康保険加入が必須です)
詳しくは、社会保障の健康保険における傷病手当の話をご覧ください

 

治すには向き合うことが重要

このように、診断名がついても安心できる人と安心できない人がいます。昨今は薬物療法が中々効きずらい人が増えていますので、安心できない人が多くなっていますね。

<参考記事>抗うつ薬の歴史

安心できない人に分類した人でも過剰に悲観する必要はありません。あう薬が見つかったとしても、自分や病気と向き合わなければ再発してしまいます。ですから、安心できる人もできない人も、自分と向き合いながら自分の体調が良い方向に向かうように努める必要がありますね。

ということで、結局はどちらの人も行きつく先は一緒なんですよね。

まとめ:治してもらうと思わないことが必要

うつ病をはじめとしたメンタルヘルス疾患は思った以上に長い時間をかけながら治療をしていくことになります。ですから、診断名がついて安心しきっていると後々大きな不安に襲われてしまいますね。

治療をうまく進めるためには「治してもらう」という受け身の姿勢から「治していく」という能動的な姿勢に変化していく必要です。その部分に、どのタイミングで気づけるかで寛解するタイミングは変わってきます。

また、精神障害の部類に入ると治療するのではなく、付き合っていくという考え方が必要になります。それなのに、いつまでも「治す」と思っていると中々楽な状態になれません。

ですから、自分の病を受け入れるよう心をチューニングしていくのが大事ですね。

精神疾患も精神障害も、治療のセオリーは「自分を知り、壊れるまで追い込まず、コントロールしながら成長していく」というものです。治るから良いとか、治らないから悪いというわけではなく、同じセオリーで進んでいくということを忘れないでくださいね。

それさえ、覚えておけば診断名に一喜一憂することなく穏やかに過ごせると思いますよ。

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