精神障害をカミングアウトすることが必ずしもいいわけではない理由

先日、英王室のウィリアム王子のメンタルヘルス啓発活動において「精神的な問題を一人で抱え込まずに話し合うことが重要だ」というメッセージを発信しました。もちろん、これは大事なメッセージです。ですが、このメッセージにはデメリットがあることを忘れてはいけません。今日は、そのデメリットを説明しようと思います。

カミングアウトするデメリット

カミングアウトをする最大のデメリットは「告白することによる辛い経験の再体験をしてしまう」ということです。ツラい症状が出ているのであれば必要なのはカミングアウトより生活基盤の保証と安全の確保。そして休養し体の回復を待ってからカミングアウトをしていくのが重要です。

そして、はたから見て元気になったように感じても告白することで辛い体験を再体験してしまい体調がさらに悪化してしまうことがあるんです。だから、必ずしもカミングアウトをすることで心が楽になるわけではありません。

これはPTSD(心的外傷後ストレス)の傾向がある人ほど注意が必要です。震災などの災害に巻き込まれた人、レイプ、強盗などの犯罪に巻き込まれた人。身内の死別や目の前での殺人などにさらされた人などはストレス度合いが高すぎるためカミングアウトをするタイミングは細心の注意が必要です。

もちろん、うつ病などの精神障害でもパワハラやいじめ、嫌がらせをされていたとしたら同じこと。そのトラウマを説明するときに記憶の再体験をすることにより体調不良になることは大いにあり得ることです。

専門家が必要不可欠

そのため、原則、専門家によるカウンセリングが必要です。相手の状態を見ながら、負荷が限界を超えないラインを見つつ症状を伝えてもらっていくことが重要。その辛い経験が悲惨であれば悲惨であるほど慎重な対応が必要なのです。

震災などでカウンセラーを派遣されることは有名ですが、それにより辛い記憶を再体験し「カウンセラーお断り」という張り紙をした避難所があったことは有名なことです。話を聴いてあげれば相手が楽な気持ちになると信じ込んでいると、とっても危険だということを覚えておきましょう。

ウィリアム王子はハリー王子の精神的援助をしてきた経緯があります。その援助は成功を納め、やんちゃ王子と言われていたハリー王子は今は様々な支援活動をしています。そのため「一人で抱え込まずに話し合おう」という主張は正しいものです。ただ、ハリー王子が患っていた心の傷は母であるダイアナ妃の死別の経験です。そして、それを癒すために最初に話をしたのはカウンセラーでした。兄弟でそのことを話し合ったのはハリー王子が母の死別を乗り越えてから。

ウィリアム王子の強い勧めで専門のカウンセラーに相談したのがきっかけですが、この部分を見落としてはいけません。

<参考資料>英王室ウィリアム王子が行っている啓蒙活動まとめ

大人数がアドバイスするのは危険

また、より多くの専門家にカミングアウトしたり相談したりすることも危険です。できるだけ信頼関係を築いたカウンセラーに相談し一緒に心の問題を解決していきましょう。精神の問題の解消や克服には信頼関係の高い援助者が必要です。援助者を信じるからこそココロの中の辛さを吐きだすことができ、また、援助者のアドバイスを心の底から支持できるのです。

それなのに、大人数の専門家に相談してしまえば信頼関係は築けず援助者のアドバイスは薄っぺらく感じてしまいます。また、複数の専門家のアドバイスがバラバラの場合は当人が困惑したり混乱したりしてしまい治療の妨げになることもあります。

ですから、基本的には信頼のおけるカウンセラーに相談するのが大事なのです。むろん、不特定多数の友人にカミングアウトすることもデメリットばかりです。精神障害をオープンにするデメリット・メリットでも書きましたが、当人にプラスになると限らないからです。

症状によっては真逆の対処が必要

大人数のアドバイスがNGな理由には「症状によって真逆の対処が必要」な場合もあるケースがあるからです。わかりやすい症例であれば10人の専門家がほぼ同じ対処法を実施するでしょう。ただ、難しい将来の場合は、同じ対処法にならない場合があります。十人十色になることはありませんが、3、4つの異なるアドバイスをされることもあります。

そうなると、当人はどうしていいかわからなくなるため治療が進みません。そこに素人が口を出し始めるともう手の打ちようがありません。ですから、専門家一人+日常生活で信頼できる人少数(素人は必要以上にアドバイスをしない)がおススメです。

<注意>
カウンセラーが信頼できなくなってしまったり、治療法に疑問がある場合はセカンドオピニオンをして第三者の意見を聞くとは大事です。専門家も一人の人ですので間違うことはあります。変だな。嫌だな。信頼できないな。と思ったらセカンドオピニオンをしましょう。ただ、ウィンドウショッピングのようにいくつも専門家をはしごすると混乱してしまうので1回か2回程度に収めるのが良いでしょう。

当人を無視して話させるのは絶対NG

少数の専門家にカミングアウトするのが大事とは言いましたが、当人の意思を無視してカミングアウトすることはお勧めしません。やはり、当人が理解したうえでカウンセリングを受けなければ信頼関係が築けないからです。信頼関係が築けないとカウンセリングの効果は半減します。

ですから、あなたの大事な人が「嫌だ」と言っている場合は様子を見るようにしてあげてください。数か月、数年様子を見ているなかで、回復していかなかったり、むしろ体調が悪化しているようであれば無理してでも一度カウンセリングを受けさせることが重要かと思います。

それまでは寄り添い、生活を確保し、そばにいてあげることが良いと思います。

まとめ:寄り添うことを第一に考えてほしい

ウィリアム王子のように著名な人が啓蒙活動をされるのはとても良いことだと感じます。精神障害の知名度も上がり、誰でもなりえるものだという認識が広がっていくと苦しむ人が少なくなるからです。

ただ、一面だけをみて勘違いしてしまっては苦しむ人が増えてしまいます。ですから、物事にはメリットとデメリットがあることを抑えておいて欲しいと思います。そして、カミングアウトをするということは回復の助けになる反面、専門家の存在なしにおこなえば体調不良などのデメリットが起きてしまうことを知っておいてください。

「ただ話すだけで再体験するなんて大げさな、、、」と思う人は要注意ですからね。その人にとってトラウマになるほどツラいことを再度体験させるということがどういうことかもう一度考えましょう。あなたが目をそらしてしまうような体験を頭をガッチリ固定され強制されてみさせられ続けているのと同じなんですからね。相手のことを大事に思うならそういう行為はしないでいただきたいです。

大事な人が内にこもってしまい孤立してしまっているようなら、まずは寄り添うことから始めてください。困ったらすぐに頼れるようにそばにいてあげることが大事です。それは物理的に近くてもOK。物理的に離れていても電話やLINEですぐ繋がれる関係でもOKです。

そして、苦しんでいる人が前に進もうとしだしたときに専門家の力を借りるようにして下さい。そうすることで、大事な人は徐々に回復していきますからね。

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著者:モン介

雪の降る地域に住む、のほほんマイペース男子。 寝ることが好きで布団が親友、でも、気持ちい日差しも親友です。 うつ病に苦しみながらも、様々な人の力を借りて何とか克服。 現在は楽しく毎日を過ごしています。そんな経験が同じような苦しみを持つ人の力になれるよう活動します。

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