うつ病は休養期、回復期、再発防止期と三つの過程を経て回復し予防をしていきます。簡単に言うと、休養期で症状が治まるまで休み、回復期で衰えた体力を戻したり、ココロの調節をします。その後、社会に復帰し再発防止に向けて対策を勉強する。という流れですね。
この中で一番ツラい時期を体験するのは回復期です。そんなときに完璧主義を手なずけれないと痛い目を見る上に克服に時間がかかってしまいます。回復期を順調に通り抜けるために忘れないでほしいことを今回は話したいと思います。
うつ病克服過程で「回復期」が一番ツラい理由
私にとって回復期が一番つらい時期でした。なぜなら「中途半端に元気がある」状態だからです。休養期の時は指一本動かすのもツラいくらいぐったりしており、ほぼ毎日寝ている状態です。眠れないときは、苦しい思考の渦に飲み込まれつつも思考も鈍く行動も起こせないほど消耗しているので、苦しいと感じることもほとんどありません。
ただひたすら布団の中で過ごす毎日。今がいつなのかがわからなくなるほど横になる。これが休養期です。
その休養期を過ぎると元気が多少戻り体を動かせるようになります。思考力も多少向上し、何かを始めれる状態になります。しかし、体力は落ちているうえに、思考力は完全に戻りません。苦しい思考の渦に飲み込まれると下手に元気が戻っているので悩み始めることになるでしょう。
そう。苦しみを受け止めれる状態になるのです。これはなかなかツラいものでした。
回復期で一番注意するのは完璧主義
そんな回復期で問題になるのは「完璧主義」です。自分の脳みそは元気なころを基準に考えます。例えば朝の支度。うつ病になる前は、ウダウダ起きたとしても朝ご飯を準備し髪の毛をセット、身だしなみを整えて家をでる準備がそれなりにで来ていたと思います。
しかし、うつ病の回復期ではこれが順調にできません。朝起きても二日酔いのような思い頭。頭も回らず、身支度すればするほど苦しくなる。歯磨きするのもツラくて布団に戻ってしまうこともしばしば。今までできていたことができなくなったという気持ちが自分はダメ人間になってしまったという烙印を強烈に押し付けます。
このように、前の自分が難なくこなしてきたことを「完璧にこなそう」とするとかなり苦しい思いをするのです。毎日、できないことを確認し、できないことを責めて自分を追い込んでいきます。
こんな状態では症状を悪化させていくだけです。
酷い時はこんな姿になってます。
とはいうものの、自分姿は本当に酷いものになっているのは事実です。こんな姿では表に出れない。誰かと話ができないと思うのは間違いではありません。
どれくらい酷いかといえば、、、寝癖はばっちり、歯を磨く元気はないので磨いてません。顔を洗っても顔にキリリとした兆しは見えず、着替えることもツラいのでだぼっとした服を着ることが多くなる。オシャレなんてほど遠く、眉毛の手入れも爪の手入れも行き届いてません。
何より問題なのは歯磨きとお風呂だと思います。非難を恐れずいいますが、症状がツラい時はおふろに入れないときもありました。歯を磨けないときもありました。
こんな状態では、家族と顔を合わせるのもツラいですよね。
それでも、外に出るメリットがある。
こんなひどい状態では何もできず途方に暮れることになることが多いです。しかし、私の経験上、それでも外に出て外の空気をすい、太陽の日差しを浴びた方が元気になれる可能性が高くなります。
理由は三つ
- 今できる範囲で行える方法を探せるようになるから
- 完璧主義を少し和らげることができるから
- 太陽の光は体を元気にする力があるから
それを一つずつ説明しましょう。
今できる範囲で行える方法を探せるようになるから
実は行動を狭める思考には「これができなければやらない」とか「これができなければ、できない」という価値観があります。簡単に言えばルールがあるんですね。このルール元気な時は守れる難易度でしたがうつ病をわずらうと守れない難易度に上がります。
守れないルールなのに守らなければダメと自分をしばると何もできなくなります。そうなれば体力を戻すこともできないし、前向きに考えるチャンスも失います。
このデメリットをなくすためには「今できることをやる」という考えが必要となります。「今の手持ちで最善を尽くす」という考えです。ある意味、開き直れということですが「できないものはできないでしょうがないと」受け入れるココロが重要となるのです。
今回の酷い格好で外に出るのは無理を題材に考えればこうなります。
- 寝癖がひどい→帽子をかぶる
- 歯磨きができていない→マスクをする
- オシャレでない服をきている→気にしない
少しは外に出やすくなった思いませんか?ダメなところは隠しつつ、どうしようもないところは気にしない。できないことを受け入れてできることをするという考えで気持ちは前向きになってきます。
完璧主義を少し和らげることができるから
そして、酷い姿で外に出るという行動が自分の完璧主義を和らげてくれる効果を発揮します。自分のルールが破られることによって、受け入れやすい状態を作るのです。完璧主義というのは「できる範囲」でやるのがいいのであって、できないことで完璧主義になると自分を傷つけ続けることになります。自分の決めた厳しいルールで自分を追い込み過労気味になってしまう時は、これを思い出しルールの難易度を下げればいいのです。今できる範囲でベストを尽くす。これは社会復帰したときにも十分役に立つ思考法ですね。
太陽の光は体を元気にする力があるから
そして太陽から元気をもらえるのが外に出る最大のメリット。太陽光は体内時計をリセットしたり、紫外線の刺激から体の免疫機能を向上させたりと様々なプラスの効果を体に及ぼします。
太陽の力を吸収し、外の新鮮な空気をすうことで体の崩れたバランスを整える方向に進むことができるのです。
まとめ:自分に求める目標を下げる練習と欠点を隠す工夫を身につけよう。
このように、回復期は自分のできないことばかりを責めて苦しくなることが少なくありません。そんな時には自分に求める目標が高すぎたと気づくことが重要です。自分ができる範囲の目標を作りましょう。完璧主義は「できる範囲」で行うことが重要です。
この思考を身につけるためにも毎日、どんな酷い姿でも外に出るということを実践してみてください。数分間だけでもいいです。玄関から5m外に出るだけでいいです。それだけで、メリットを得られます。
その時には気にしている自分の嫌なところを隠せる練習をしましょう。寝癖は帽子で隠せます。女性なら化粧をしないと外に出れないと思っている人は結構いますよね。そういう人はマスクをすればいいのです。サングラスもいいですよ。
このように欠点を隠す練習もしましょう。毎日万全の準備で挑めるわけではありません。自分の今の手持ちでベストをつくすことができるようになれば、うつ病を克服するのはかなり近くなっていますよ。