2017/03/22

抗うつ薬ってどんなもの?種類ごとの効用と副作用まとめ

歴史がびっしり書いている本の山

うつ病をわずらうとまず最初に施される治療が薬物療法です。病院に行き薬をもらい、家に帰って用法容量を守ってのむ。そして、その薬の中には「抗うつ薬」と呼ばれる「うつを治す薬」が入っています。

一言で抗うつ薬っていっても種類は豊富。現在、日本で発売されているのは5つの種類に分類できるものです。今回は、その薬の特徴を詳しく説明していこうと思います。

ちなみにうつ病治療で使われる薬は他にもあります。それについては「【保存版】うつ病治療に使われる薬」でご紹介しておりますので、ぜひ読んでみてくださいね。

抗うつ薬の種類

冒頭で述べた通り、今現在(2016年3月20日現在)日本国内で販売されている抗うつ薬は以下になります。

  • 三環系抗うつ薬
  • 四環系抗うつ薬
  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)
  • SNRI(選択的セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤)
  • NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

医師や心理士、薬剤師によっても違いますが大きく2つに分けて以下のように呼ぶこともあります。

  • 第1世代抗うつ薬(三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬)
  • 第2世代抗うつ薬(SSRI、SNRI、NaSSA)

これらの違いは、作用させるモノアミンを選択的に選んでいるかどうかによって分けられています。簡単に言えば、「よりピンポイントに効力が発揮できる改良が施されているのが第2世代」といえるんですね。

モノアミンとか、選択的とか、抗うつ薬の改良などについては「抗うつ薬の歴史について」という記事にまとめていますので、ご興味があれば読んでみてください。

では、それぞれ分けて特徴や副作用、薬剤名をご紹介していきますね。

<補足1>

ただ、三環系抗うつ薬の中でも第1世代、第2世代と別れて呼ばれることもあります。ですから、議論するときは

  • 抗うつ薬全体としての話しなのか
  • 各種類ごとの話なのか

を明確にした方がいいでしょうね。一般的に言われるのは「抗うつ薬全体として」の議論が多いです。

<補足2>

世代別の呼び方は、以下のものもあります。

  • 第1世代 三環系抗うつ薬
  • 第2世代 三環系抗うつ薬
  • 第3世代 四環系抗うつ薬
  • 第4世代 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)
  • 第5世代 SNRI(選択的セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤)
  • 第6世代 NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

または

  • 第1世代 三環系抗うつ薬
  • 第2世代 三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬
  • 第3世代 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)
  • 第4世代 SNRI(選択的セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤)
  • 第5世代 NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

です。議論している時に内容がずれているように感じたら、世代の認識が違う可能性が高いです。ですから、そこから確認するのが良いでしょうね。

三環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬は一番最初の抗うつ薬と称される薬が入っており、歴史も一番古いです。名前の由来は科学構造に輪っかが3つあることから名付けられました。

歴史が古い分、同じグループ内でも進化が続いております。結果、薬剤名の中では第1世代と第2世代という風に分けられているんですね。

三環系抗うつ薬の特徴

三環系抗うつ薬の特徴としては以下があげられます。

  • 比較的安価
  • 患者によっては効果が良くでる
  • モノアミン全般に効果が出る
  • モノアミン類以外の神経伝達物質にも影響が出る
  • 副作用が強め

副作用が強いため薬物療法では、最初に処方される薬としては選ばれることがほぼありません。副作用の原因はモノアミン以外の神経伝達物質(脳内ホルモン)に作用してしまうからです。

ですから、長期的な治療を施しても重度なうつ症状が改善されない場合に最後の手段として投与される可能性のある薬といっていいでしょうね。

よって、あまり服用している人はいないのが現状です。副作用の心配もあるため入院している患者さんでないと処方しにくい背景があります。

<補足1>

モノアミンとは神経伝達物質(脳内ホルモン)の以下のものを示す総称です。

  • セロトニン
  • ドーパミン
  • ノルアドレナリン
  • アドレナリン
  • ヒスタミン

この中で、うつ病と関係があると考えられえいるのが

  • セロトニン
  • ノルアドレナリン

です。統合失調症をはじめとする精神病にはドーパミンも関係あるとされている状態です。

神経科学において、モノアミンとは、主にセロトニン(インドールアミンの一種)、およびドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン(この3つはカテコールアミンの一種)を主に指す。また、ヒスタミンもモノアミン神経伝達物質の一種である。これらは神経系において、神経伝達物質または神経修飾物質(neuromodulator)として働く。昆虫やその他の無脊椎動物ではオクトパミンおよびその前駆物質であるチラミンが神経系にて生理活性作用を持つ[1][2]。共通する主な特徴は以下の通りである[3]。

引用元:脳科学辞典 モノアミンのページ

<補足2>

うつ病に関係するモノアミン

  • セロトニン
  • ノルアドレナリン

に作用する度合いは、クスリの種類によってことなります。それについては、薬剤名の説明部分に表を載せましたので参照してください。

三環系抗うつ薬の薬剤名

実際に販売されている三環系抗うつ薬は以下のものです。

  1. 第1世代
    • アミトリプチリン
    • イミプラミン(イフラニール)
    • クロミプラミン
    • トリミプラミン
    • ノルトリプチリン
  2. 第2世代
    • アモキサピン
    • ドスレピン
    • ロフェプラミン

ちなみに、各クスリによってモノアミン対する作用が違います。まとめると以下のような表になります。

薬剤名 セロトニン対
ノルアドレナリン
(作用比率)



アミトリプチリン
(トリプタノール)
1:1程度
イミプラミン
(イフラニール)
1:3程度
クロミプラミン
(アナフレニール)
5:3程度
トリミプラミン
(スルモンチール)
比率は現在調査中
だが、セロトニンによく効き、ノルアドレナリンに作用する力は弱いとされている
ノルトリプチリン
(ノリトレン)
1:4程度



アモキサピン
(アモキサン)
比率は現在調査中
だが、ノルアドレナリンによく効き、セロトニンに作用する力は弱いとされている
ドスレピン
(プロチアデン)
現在調査中
だが、どちらにも作用することはわかっている
ロフェプラミン
(アンプリット)
現在調査中
だが、どちらにも作用することはわかっている

三環系抗うつ薬の主な副作用

主な副作用は

  1. 抗コリン作用
  2. 抗ヒスタミン作用
  3. 抗a1作用(抗アドレナリン作用)
  4. ノルアドレナリン作用

があげられます。具体的に言えば

  • 口の渇き
  • 便秘
  • 悪心
  • 排尿障害(おしっこが出にくい)
  • 眠気
  • 顔面紅潮
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • かすみ目
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 胃部の不快感(むかつき、いもたれ)
  • 動悸(心悸亢進)
  • 不整脈
  • 眠気
  • 口の渇き
  • 吐き気
  • 消化器官などの機能低下
  • 顔や手足の筋肉がピクピクする
  • ボーっとする
  • 体重増加

となっています。これらが起きるのは神経伝達物質である

  • アセチルコリン
  • ヒスタミン
  • アドレナリン

にも三環系抗うつ薬が作用してしまうからなんですね。この副作用の多さから、うつ病治療としては最終手段として使われているのが現状です。

四環系抗うつ薬

ついで、ご紹介するのが四環系抗うつ薬です。これは、三環系抗うつ薬と作用機序が同じでモノアミンはじめ神経伝達物質に作用するお薬です。名前の由来は化学構造に4つの輪っかがあることですね。こちらは、三環系抗うつ薬の副作用を弱めるために作られた抗うつ薬といっても過言ではありません。

四環系抗うつ薬の特徴

四環系抗うつ薬の特徴は

  • 三環系抗うつ薬より効力が弱め
  • 三環系抗うつ薬より副作用が小さい
  • 効力の発現が速い(4日程度)

というものがあります。

効果の発現が速いため、緊急入院をするような重度、かつ、急性期の患者には最初に投与される可能性が高い薬であります。薬物療法での第一選択薬にはなっていませんが、こちらも現在でも使われることのある薬です。必要に応じて処方されることがあり、入院患者に主に処方される傾向があります。

四環系抗うつ薬の薬剤名

四環系抗うつ薬は以下のものが有名です。

  • テトラミド(ミアンセリン)
  • ルジオミール(マプロチリン)
  • テシプール(セチプチリン)

この中で主力だったのはルジオミールです。この薬は1981年に発売されたもので、三環系抗うつ薬を処方する前に使われることが多かったんですね。

ただ、SSRIやSNRIなどが出てきてからはシェアを落としてしまっています。

四環系抗うつ薬の主な副作用

主な副作用は三環系抗うつ薬と一緒です。ですが、全般的に副作用の強さは三環系に比べ弱いと言われています。以下に副作用についてまとめておきます。

副作用の種類は

  1. 抗コリン作用
  2. 抗ヒスタミン作用
  3. 抗a1作用(抗アドレナリン作用)
  4. ノルアドレナリン作用

があげられ、具体的な症状は以下です。

  • 口の渇き
  • 便秘
  • 悪心
  • 排尿障害(おしっこが出にくい)
  • 眠気
  • 顔面紅潮
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • かすみ目
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 胃部の不快感(むかつき、いもたれ)
  • 動悸(心悸亢進)
  • 不整脈
  • 眠気
  • 口の渇き
  • 吐き気
  • 消化器官などの機能低下
  • 顔や手足の筋肉がピクピクする
  • ボーっとする
  • 体重増加

副作用の原因は、三環系とどうように他の神経伝達物質に影響が出る薬だからです。詳しくは三環系抗うつ薬の副作用の部分をご参照くださいね☆

SSRI

ついで、薬物治療の革命と言われたSSRIをご紹介しましょう。これは「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」と呼ばれるもので、英名だと「Selective Serotonin Reuptake Inhibitors」と表記され、単語の頭文字をとってSSRIと呼ばれています。

SSRIの特徴

これが凄いと言われていたのは「選択的」に作用できる点です。三環系・四環系抗うつ薬はモノアミンだけでなく神経伝達物質全般に作用してしまうため副作用が問題視されていました。

ですが、SSRIはセロトニンにだけ作用することができ、他の脳神経伝達物質に影響をあたえないという特徴があるんです。このため、三環系・四環系抗うつ薬で困っていた副作用がほぼでないという特徴があります。まとめたものを以下に書いておきます。

  • 選択的作用ができ、セロトニンに強く効く
  • 他の脳神経伝達物質には影響を及ぼさない
  • 三環系・四環系抗うつ薬ででる副作用がほぼでない

これらの特徴を有していたために、発売から短期間で抗うつ薬シェアのトップに躍り出ることになった薬なのです。

ただ、万能薬というわけではありません。従来の抗うつ薬では見られなかった副作用や問題点が浮き彫りになりはじめ、今では様々な場所で議論がされています。詳細については、後述する副作用の欄をご参照ください。

<補足>

「選択的」というのは学者の立場から言うと捉え方が少し変わります。今回、セロトニンだけに作用するといったのは臨床的データで見ると、「ほぼセロトニンにだけ作用する」といえるのが正しい表現です。

薬学的データから見れば、少なからず他の脳神経伝達物質にも作用しているということは間違いありません。ただ、影響度が少ないため副作用として現れないというだけなのです。

専門家としては、この部分をしっかりと把握しておく必要があります。

SSRIの薬剤名

今、日本国内で販売されているSSRIは以下です。

  • フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
  • パロキセチン(パキシル)
    (パキシルは禁忌が多いので注意)
    (特に18歳未満に対する処方は禁止されている)
  • セルトラリン(ジェイゾロフト)

厚生労働省の情報によれば約100万人以上が服用している有名な薬です。ですから、あなた自身も服薬の経験があるかもしれませんね。

SSRIの主な副作用

SSRIは、三環系・四環系抗うつ薬で出ていた副作用がほぼありません。また、肝毒性、心・血管副作用や鎮静作用も低減されていると言われています。ただ、他の副作用が出ることがあるんですね。それは以下のものです。

  • セロトニン症候群
    • 錯乱
    • 発熱
    • 発汗
    • ふるえ
    • けいれん  など
  • 賦活症候群
    • 不安
    • 焦燥
    • 不眠
    • 敵意感
    • 衝動性の強化
    • 些細なことで不機嫌になる(易刺激性)
    • じっとしていられない
    • パニック発作
    • 軽躁
    • 躁状態
    • 自傷行為や自殺行為
  • SSRI離脱症候群(中断症候群)
    • めまい
    • 知覚障害
    • 睡眠障害
    • ふあん
    • はきけ
    • ふるえ
    • 感情の高ぶり など

特に賦活症候群は問題が多いものもあります。よって、現在はSSRIの処方は慎重に行うよう国から各機関に要請が出ています。

ただ、過剰な心配は禁物です。上記の副作用は各機関に周知されており診断の際は十分に配慮して行われています。ですから、処方されている人が必ずそういう副作用が起きるとは言えないのです。

診察や診断によって重度の副作用がでないことを確認しつつ、効力を確認できると医師が判断しているため処方されています。

ですから、勝手な判断で断薬はしないでくださいね。断薬するとSSRI離脱症候群という副作用に苦しむことになります。ですから、薬に対する不安が強い場合は主治医に必ず確認するようにしましょう。

SSRIの問題

このようにSSRIは三環系・四環系抗うつ薬にない副作用があります。特に、重症度の副作用がでると大きな問題になることも少なくありません。

また、昔はSSRIの処方ミスや乱発によってクライアントが異常行動を起こし犯罪を犯してしまう現象もありました。ですから、大きな議論をよんでいます。

これらの議論により、SSRIの効果の検証も再度されていて、より詳細なデータをとる試みが行われています。まだ、議論の結果はでていませんが、私たちが知っておきたいことは「軽症のうつ病患者には安易に処方しない」という部分です。

これは、厚生労働省が行った要請なのですが、SSRIをはじめ、他の抗うつ薬も含めて軽症うつ病者に対する効果が低いという結果が出たことによって行われたことです。ですから、全てが薬で治ると思っていてはいけないんですね。

こういう場合は、心理療法が効力を強めてきます。ですから、元気になってきたら心理療法を受けることがおススメです。

ちなみに、中傷度・重症度のうつ病にはSSRIをはじめ抗うつ薬全般は効果があると言われているため、処方されています。ですから、必ずしも処方されるのがNGではないので安心してくださいね。

国の要請や問題点などは抗うつ薬の歴史にまとめていますので、ご興味がある方は是非よんでみてください。

社会的問題についてはウィキペディアから引用させてもらいます。

社会とSSRI[編集]
1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件では、犯人である少年二人のうち、一人は血液検査から大量のフルボキサミンを服用していたことが確定しており、もう一人も服用していた可能性が極めて濃厚と言われる。事件の被害者の一人は、二人を凶行に走らせた原因はSSRIにあるとして、製作元である会社を告訴したが、裁判によって退けられた。[28]
2001年8月、米国ではカリフォルニアの患者35人が、パロキセチンの重篤な離脱反応で、製造元の英国グラクソ・スミスクライン社を相手に集団訴訟を提訴した。この離脱反応は英国でも問題となり、同社は2003年6月に添付文書での離脱反応が生じるリスク予測を、0.2%から一挙に25%に修正した。 FDAは、2003年6月パロキセチンを18歳以下に使用しないよう勧告、2004年10月には、全抗うつ剤の添付文書に18歳以下での自殺傾向のリスクについて、最も厳しい「黒枠警告」を行うよう指示した。 日本の厚労省は、欧米の動きを受けて、2003年8月パロキセチンを18歳以下の大うつ病性障害には禁忌とするよう添付文書を改訂した。[23]
2012年7月2日、英国グラクソ・スミスクラインがパロキセチンなどの違法販売促進を認め、30億ドルという製薬業界史上最高額の支払いに合意したことを、米司法省が発表した[29][30]
日本においては、服用後に突然他人に暴力を振るうなど攻撃性を増したり激高するなど副作用と疑われる症例が、2008年秋までの4年半に医薬品医療機器総合機構に42件寄せられており、使用の際、注意を促しているが、SSRIの副作用は海外でも報告されており、氷山の一角であるとされる [31]。
2009年6月1日に放送された『クローズアップ現代 抗うつ薬の死角~転換迫られるうつ病治療~』[32]で、SSRIの不適切な投与により傷害行為(強盗)に及んだ患者が、医療鑑定で「SSRIの影響がある」と認められた事例が報告された。これは薬害であるが、SSRIの知識に乏しい医師が、SSRI服薬量の急激な増減が危険であることを知らずに、患者の体調報告にあわせて頻繁に投薬量の増減を繰り返していたことも一要因であるとされた。 また、この薬はパニック障害で服用した場合、飲み始めてからきちんとした効果が出るまでに二週間前後の時間を必要とするので注意が必要である。また、服用によって、逆に精神のバランスを崩す可能性もあるので、経過観察には注意を要する。
うつ病が20世紀になって増加しているがSSRIの普及と軌を一にする。SSRIという薬価が高いうつ病の薬が販売されると世界各国で軒並みうつ病患者が増える。そこには製薬会社のキャンペーンが影響している。SSRIの導入後、6年間でうつ病の患者が2倍に増えるという経験則がある。[33]
2013年、日本の厚生労働省は、大うつ病性障害に対し、18歳未満に投与しても効果を確認できなかったとして、添付文書を改訂し医師に慎重な投与を求めるよう日本製薬団体連合会に要請した。対象は「レクサプロ」「ジェイゾロフト」「ルボックス」「デプロメール」、他はSNRIが2製品、NaSSAが2製品の計8製品である[34][35]。

引用元:ウィキペディア SSRIのページ

あくまでも社会的問題点については一般例ではなく特例部分が強いため、参考程度に見ることをおススメします。

SNRI

そして、SSRIの次に作られたのがSNRIです。これは私も服薬していた経験のある身近な抗うつ薬です。正式名を「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」といい、英語で「Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors」と書き、単語の頭文字をとってSNRIと呼ばれているんですね。

これは、セロトニンだけでなくノルアドレナリンにも作用する抗うつ薬となります。

SNRIの特徴

SNRIの特徴は

  • セロトニンとノルアドレナリン両方に作用する
  • ノルアドレナリンに作用するため意欲の改善が見込める
  • セロトニンに作用する部分はSSRIより小さい
  • 興奮に関する副作用がある

です。

ノルアドレナリンに効果を及ぼすというのがSNRIの大きな特徴ですが、それにもメリットとデメリットがあります。まとめると以下です。

  • メリット
    • やる気の向上
    • 意欲の亢進
    • 日中の眠気の減退
  • デメリット
    • 過剰興奮による不安・焦燥感
    • 不眠

これらは人によって良くでることも悪く出ることもあります。ですから、経過観察が重要となります。

SNRIの薬剤名

SNRIは以下のものが販売されております。

  • ミルナシプラン(トレドミン)
  • ヂュロキセチン(サインバルタ)
  • ベンラファキシン(イフェクサー)

他の記事でも何度か話していますが、私が服用していたのはトレドミンというSNRIです。確か上限いっぱいまで増やして服薬していましたね。私は抗精神病薬であるドグマチール(スルピリド)を一緒に服用していたため、胃の不快感などは起きませんでした。ドグマチールは胃薬としても使われる薬なので胃を守ってくれたのかもしれません。ただ、食欲が増進して体重増加をしましたが、、、、いや、自分の自制心のタガが外れただけかもしれませんが、、、

SNRIの主な副作用

SNRIの副作用はSSRIと同じです。ただ、SSRIより副作用の強さは弱いと言われております。よって、重度の副作用になることはあまりないと言える状況です。詳しくはSSRIの副作用の部分を参照してください。

服用していた私がいうのも変ですが、特に問題はありませんでした。体重増加以外はね。。。

ただ、不眠や焦りが人によって出る可能性があるので注意が必要ですね。これはノルアドレナリンが過剰に反応していることを示します。

NaSSA

そして、最後に紹介するのがNaSSAです。正式名称は「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」といいます。英語名は「Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant」と書き、略してNaSSAと呼ばれているものです。

特徴

NaSSAの特徴は

  • 人によって抗うつ作用が強く出る
  • SSRIとSNRIの作用機序と少し違う
  • 不眠解消にもひと役かう
  • 副作用が多く出やすい
  • かゆみにも効く(抗ヒスタミン作用がある)
  • 効果が発現するまでの時間が短い傾向がある(約1週間程度)

です。

NaSSAは四環系抗うつ薬が進化した抗うつ薬です。元となる四環系抗うつ薬は睡眠薬として使われることもありました。その特性がそのまま残っている状態です。

また、作用機序がSSRIとSNRIと違うのもユニークな点です。SSRIとSNRIはシナプス間のモノアミンの再取り込みを妨害して相対的にモノアミン量を増やしていました。

NaSSAは分泌量を増やすことによりモノアミン量を増やす作用があるお薬となります。SSRIもSNRIも効かなかった患者には試してみる価値があります。

ただ、副作用が多く出るため注意が必要です。特に吐き気は避けようがなく受け入れるしかない状態です。

薬剤名

NaSSAとして発売されている薬剤名は2種類しかありません。しかも、どちらも同じ薬であります。それは

  • ミルタザピン(リフレックス、レメロン)

というものです。それぞれ発売している会社によって名前が変わるんですよね。

開発されてから時間がたっていないことと、副作用がおおくでるという特性から普及はあまりされていない抗うつ薬です。これから種類が増えていけばお目にかかることも多くなるでしょう。

主な副作用

NaSSAの副作用は

  • 体重増加
  • 過眠
  • 日中の眠気の増加
  • 口渇
  • 便秘

などがあげられます。体重増加に関しては他の抗うつ薬より強いとされています。異常に体重が増えてしまうと他の病気をわずらう可能性がありますので注意が必要です。

抗うつ薬の進化は副作用との闘い

このように、抗うつ薬は様々な進化をとげております。そして、その進化は副作用との闘いでもあったんですね。三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬にでる抗コリン作用や抗ヒスタミンを防ぐためにSSRI、SNRI、NaSSAが開発されました。そして、より効果がでるように日々進化し続けているものなんですよね。

今より副作用が小さく、効力がさらに良い薬の開発が進むことを祈るばかりです。

SSRI・SNRI・NaSSAの注意点

一昔前は、SSRI・SNRI・NaSSAは最も「うつ」にきく薬だと言われることも少なくありませんでした。ただ、三環系・四環系抗うつ薬に見られないような副作用もあります。また、効力に関する議論には決着がついていないのが現状です。

ですから、日本うつ病学会のガイドラインには「全ての抗うつ薬に優劣はつけられない」とされています。それぞれのもつ副作用や効用を元に症状に合わせて使うのが良いという考え方なんですね。

ですから、後発の薬の方が効くとか、新しいものの方がいいと端的にはいえないのです。この部分を知らないと新しいものを飲んで苦しむ結果になります。なにが秀でていて、何が劣るのか。それを知りながら処方することが重要です。これは患者よりも医師がわかっていないといけない部分ですけどね。

18歳未満に注意が必要な抗うつ薬

また、18歳未満の患者には以下の薬の処方は注意するように厚生労働省から各機関に要請が出ています。その薬の名前は

  • SSRI
    • エスシタロプラム(レクサプロ)
    • セルトラリン(ジェイゾロフト)
    • フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)
  • SNRI
    • ヂュロキセチン(サインバルタ)
    • ミルナシプラン(トレドミン)
  • NaSSA
    • ミルタザピン(レメロン、リフレックス)

です。このような要請があるため、今は安易な処方も減りましたし、過激な増量もする病院はいなくなっています。

薬とは副作用があるもの

こうやって特徴や副作用を書いていくと副作用の方が注目されがちです。何よりうつ病の症状によって不安が強く出ていることもありますから、なおさら目が行ってしまうでしょう。

ただ、薬というものは必ず副作用があるものです。これは抗うつ薬にかぎらず市販の薬全部にいえることなんですよね。今は病気になるとクスリで治すことが多いため副作用に対する感覚が鈍くなっています。

ですが、必ずあるものだということは知っておいて欲しいんです。特に、うつ病治療の現場ではこの副作用と戦わなければいけないことも少なくありません。

この副作用がうつ病の症状だと勘違いすると回復する妨げになってしまいます。ですから、正しい知識をみにつけ、必要以上に怖がらずに今できることをやるようにしてくださいね。

昨今は、副作用のことが心配しすぎて服用をしない患者も少なくありません。もちろんデメリットもありますが、メリットを活用しないのはもったいない状態だと私は思います。

医師としっかり話し合い、必要な処方をうけて服用することはうつ病治療には大事なことですからね。

まとめ:薬の特徴をしり、副作用に恐れず治療を進めよう

いかがですか?抗うつ薬って一言でいっても、たくさんの個性があったと思います。それぞれに秀でた部分があり、そして、劣った部分があるものでした。それの特徴をうまく活かし薬物療法は実施されるものなんですよね。

昨今は、SNRIがうつ病治療の第一選択薬になっていることが多いと聞きます。SNRIを基本とし、後は抗不安薬や睡眠薬で調整する形です。より安全に処方できるように対処しているんですよね。

ただ、症状が重い場合や、早急な効果の発現が必要な場合は三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬が処方されることがあることも知っておいてくださいね。

薬はメリットがデメリットを上回ったときに使うと決めるものです。100%副作用を回避することは不可能ですが、効力を使わないのはもったいないです。あなたにとって最良の薬物療法が施されることを切に願います。

 

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