仕事でミスをすると心身ともにダメージを負いますよね。たとえ、叱責されていなくても苦しいものです。健常者でもツラいものですからうつ病患者にはもっと苦しいものとなります。
それなのに、うつ病になるとツラい苦しいミスを連発してしまうことがよくあります。そうなると絶望感が最大になり、会社に居るだけでもツラい状態になってしまうことでしょう。そんなあなたの苦しみを解決するべく、今回は仕事のミスを激減する4つの対策についてご紹介します。
ミスが激減する4つの対策
ミスが激減する方法は以下の4つになります。
- 感情コントロール
- フローチャート化
- 作業量の調整
- スキルアップ
実はこの方法は健常者でも、うつ病患者でも通用する大事なメソッドです。これを習得することでうつ病の苦しさから抜け出すばかりでなく、仕事の効率もあげることができますので是非習得してくださいね。
うつ病をわずらうということ
さて、具体的な説明に入る前に「うつ病をわずらうということ」について説明しておきましょう。このことをあまりよく分かっていないうつ病患者が多いです。ですから、一から説明していきます。
もし、「もうわかっているから飛ばしてくれ」って思ったなら要注意です。その考え自体がすでにミスを犯す習慣になっているからです。本当にミスを減らしたいですか?それなら、わかっていると思っていても復習と思ってちゃんと読んでくださいね。
まず、うつ病をわずらうと起こるのは
- 思考能力の低下
- 感情コントロール力の低下
- 体力の低下
です。ですから、頑張ることが難しく、体調を崩しやすいです。
これらが複合的に重なり合っているため、あなたは今ミスを連発しやすい環境にいます。そのことを知ってください。そして、受け入れてください。そういう環境にいると受け入れないとミスは減りません。
病気を患っていなくてもミスはします。というか、ミスしない人はいません。通常よりミスしやすい状態になっていることは重々受け入れる必要があります。
作業能力は取り戻せる
とはいえ、落ち込まないでください。色々な症状は改善していきます。
- 思考力
- 感情調整力
- 作業能力
- 体力
時間はかかりますが、上記の項目は正しい治療と行動で良くなっていきます。元気なころの状態まで戻ることも珍しくありません。
ですから、うつ病になったことに絶望感を抱く必要はないです。もし、絶望感や喪失感で苦しくなったら、このことを思い出してください。そうしなければ、体調が悪化します。そして、さらにミスをしますから。
失敗を続けると悪化する
ミスというのは怖いものです。仕事にも周りにも影響をあたえますが、あなたの心にもっとも大きな悪い影響をあたえます。ですから、少ないことの方がいい。ですが、あなたはミスというものより大事にしているものがあります。それは
- スピード
- 結果
- 評価
です。確かにこの3つも仕事をやる上では大事なことです。ですが、重要なのは正確さです。
ミスをしないということは正確さが高いといえます。ですが、あなたは正確よりも上記の3つを優先していると思います。理由は
- 自分の責任感
- 上司の指示
- 価値観の証明
かもしれませんね。ですが、忘れないでください。一番大事なのは正確さです。もう一度言います。正確さです!!そこを満たしてから、スピードや結果、評価を気にすることが重要です。
そのことを踏まえながら本題に入りましょう。
感情コントロールの重要性
まず、ミスを劇的に減らす4つの対策のうち一つ目が「感情のコントロール」です。これは、うつ病患者が特に苦手と感じる部分ですね。特に重要な感情が
- 不安
- 恐怖
- 焦燥感
の三つです。これは療養中でも同じでしたよね。
不安や恐怖が強いほど焦燥感が強くなり、焦燥感が強いほど不安や恐怖が強くなる。こういった関係があるからこそ負のスパイラルにはまってしまいミスを連発してしまうのです。
ですから、この感情を手なずけるのが重要です。
そのためにも、この感情がどこから来ているかをまず知りましょう。それには認知行動療法のセルフモニタリングがいいでしょう。認知行動療法を知らない方は「うつ病患者の約8割に役立つ「認知行動療法」」をご覧ください。
セルフモニタリングをすることで、感情の出どころを知り、鎮める方法を習得しましょう。
仕事でミスをするときというのは
- 不安
- 恐怖
- 焦燥感
が暴走しており、仕事の最終チェックが終了していないのに提出してしまう。これが多くのミスの原因です。ですから、自分の感情をコントロールし、入念に最終チェックをしてから完了するようにしてください。そうすればミスは大幅に減ります。
そんな時間ないんだよ!!って思っている人は要注意です。ミスをしたら
- 説教の時間
- 手直しの時間
- 自分の再チェックの時間
- 上司の再確認の時間
をロスするんです。それが、一回の最終チェックで防げるなら大きな時間短縮です。それを念頭に入れて感情コントロール方法を身につけましょう。
<参考>
うつ病患者の約8割に役立つ「認知行動療法」を知り、自分で実践しよう
仕事のフローチャート化
そして、次に大事なのは仕事のフローチャートを作ることです。これは「手順書づくり」です。場所によっては
- 見える化
- 書類化
- 指示書化
- 共有化
などと呼ばれるものです。他の人が初めてこの仕事をしても、同じ結果を出せるような手順書を作るよう心がけるのが大事です。
とはいえ、最初から完璧なものを作ろうとすると実行できないので最初はメモから始めましょう。例題として電話の受け答えのフローチャートを以下に書いてみますね。
- 電話の受話器をとる
- 電話の相手より先に以下を述べる
- 会社名
- 部署名
- 氏名
- 「お電話ありがとうございます。このたびはどのようなご用件でしょうか?」
- 相手の要件を聴く。
- すぐ答えれる内容ならすぐ答える
- 誰かに聞かなければいけない内容なら以下を答える
- 確認いたしますので、少々お待ちください
- 保留にする
- 聴きに行く
- 時間がかかるようなら、折り返し電話するように相手に断り実行する
- 誰かへの引継ぎの場合は以下を答え、引き継ぐ
- かしこまりました。○○へ引き継ぎますので、少々お待ちください
- 保留にする
- 電話を引き継ぐ
- どうしていいかわからない時は以下のように答えて対応する
- 申し訳ありません。担当のものに確認しますので少々お待ちください
- 保留にする
- どうしたらいいか上司に聴く
といった形です。さらに、聞き逃しを防ぐためには専用用紙をつくっておけば完璧です。
日時 | |
相手の会社 | |
相手の部署 | |
相手の氏名 | |
要件 | |
対応内容 |
このメモを使用することで聞き漏らしが減ります。なぜなら、聞き漏らしていたら空白の部分が出てくるからです。電話切る前に空白部分を埋めるようルールを作れば聞き逃しもなく仕事のミスも起きません。
このように簡単なもので構わないのでフローチャートを作りましょう。そうすることで、焦ったり不安になって集中力が切れたとしてもミスはしません。
また、専用用紙を作成しておけば一目で不足部分が見つかるのでミスを未然に防げます。これだけで、ミスが起こることは大幅に少なくなります。
これは、トヨタなどの自動車業界、ソニーや日立などの電機業界、さらには建築業界などすべての工業分野ではスタンダードになっている方法です。トヨタが世界一になっているのも手順書づくりと改善があったからだと言われるくらい大事なものですので、できる範囲で作ってみましょうね。
仕事量の調整
感情コントロールとフローチャートができてもミスが減らないときは業務量の調整を上司に依頼しましょう。最善の努力をしてもミスが減らない原因は、おおすぎる業務にあります。
あなたが思考力が低下している状態はわかっているはずですから、「今、ちょっと苦しいんだ」と相談してみてください。あなたの体調を知らなかったとしたらすぐに調整してくれるでしょう。ただ、必ず調整してくれる訳ではありません。
会社側も人手が足りない状態かもしれません。そうなるとあなただけ特別に負荷を下げることは難しいと言われる可能性があります。そんなときは「手を抜く方法」を探してみてください。
ミスを減らす手を抜く方法
業務量が多すぎて大変な時、いかに必要ない部分で手を抜くかが重要です。たとえば、誰も見てもいない資料作りだったら装飾は必要最低限でいいでしょう。文面も言い回しは簡潔にし、必要最低限の表現だけでOKです。
報告書も一緒。結果だけしか見ない上司なら結果しか書かなくてOK。逆に経過を重要視する人は経過を箇条書きで書きましょう。
また、メールなどにおいては本文に用件だけを書き、詳細は後日会ってから伝えるとするのも良いですね。忙しい時は一日1時間だけ電話に出ないのも良いですし、1時間だけ電話がでれない場所で作業するのもいいです。下手に仕事を増やされないように定時でかえるのも一つの手です。
意味のない仕事ならミスしてもいいやと割り切り適当にやるのも重要です。(怒られますけどね、、、)ただ、「意味のない仕事」の烙印を押す選択には十分注意してくださいね。重要な仕事を勘違いして手を抜いてしまえば、あなたの評価は下がります。
高級官僚や大企業で出世していく人は、信じられないくらいの仕事量をこなします。その代り、影響力のない上司(無能や意味不明の上司)の仕事は信じられないくらい手を抜くこともあるんですよね。理由は簡単。
- 評価に影響しないから
- 頑張っても何も得をしないから
- 上司の自己満の仕事だから
ちょっと冷酷ですが、そうやってバッサリ切り捨てないと仕事ってまわらないです。ですから、頑張っても評価されないことならミスしてもいいやと思ってやるのも一つの手ですよ。
スキルアップの重要性
そして、長期的な視点で大事なのが「スキルアップ」です。特にIT技術はしっかりと学びましょう。
- タイピング
- IT機器の取り扱い
- 効率を上げるソフトの取り扱い
- 業務効率化を図れるプログラミング
- ワード、エクセル、パワーポイント
などなど、あなたの仕事を簡単にするスキルを積極的に学びましょう。そうすることで仕事の負荷が激減し、多くの仕事をこなせるようになります。
私の経験した職場では、すべて手書きの書類でやり取りしている部署がありました。手書きって時間がかかるんですよね。ですから、数クリックで書類を作れるエクセルを作ったところ3時間かかっていた仕事が1時間に短縮できました。単純に言えば3倍の仕事ができますよね。
このように楽をするということにどん欲になってください。楽をするというのは悪いことではありません。空いた時間で次の仕事をすればいいだけですから。空いた時間で遊ぼうとするから非難を受けるだけなんです。
<注意>
今は体力が著しく低下している状態です。毎日の業務でツラいのに家に帰ってから新しいスキルを勉強すると睡眠時間が少なくなることが多いです。そうなると、体調を悪化させる原因になってしまいます。ですから、スキルアップは体力がある程度回復してからにしましょう。
はじめにやること
いかがでしょうか?ミスを減らす4つの方法できそうですか?この4つのうち、最初にやるのは「フローチャートを作る」がおススメです。なぜなら、失敗って手順を
- 間違う
- とばす
- 忘れる
ことで起こることが多いからです。正しい手順でやっていれば失敗はしませんよ。逆に正しい手順でやっているのにミスするということは手順が間違っているか改善する必要があるレベルになったということです。
また、フローチャートが分かれば仕事の進捗状況もわかりやすいです。進捗が分かると、
- 必要な残りのものが客観的に見れる
- だから、不安や焦りが暴走しにくい
- 客観的に見られれば周りにも言いやすく、助けを求めやすい
というメリットもあります。
失敗との向き合い方
毎日失敗してしまうと、いろんな種類の失敗をしているように感じます。ですが、本当は同じミスを繰り返しているんですよね。大きく言えば「最終チェックを怠った」ためミスをするんです。これができていればミスをしません。
ですから
- なぜ、最終チェックを怠ったのか?
- なぜ、最終チェックができないのか?
と考えることが重要です。それが分かればミスを犯すことはないですよね。
- 時間が足りないのか
- 集中できていないのか
- 業務量が多すぎるのか
失敗に向き合わないと、何が原因なのかがわかりません。失敗に向き合うのはツラいことです。自分を否定してしまうこともあるでしょう。しかし、忘れないでください。人は失敗する生き物です。どんなに完璧な人でも凄い業績を残す人でも失敗やミスをたくさんします。
そういう人のミスが表に出てこないのは、表にだす前に自分でチェックして修正しているからです。だから、皆が知らないだけ。
良いですか?自分で気づいて修正すればミスはミスではないのです。
周りの力を借りよう
さて、それともう一つ大事なことを言っておきましょう。あなた、自分だけで乗り越えようとしていますよね?それって、危ないですよ。失敗しない仕組みづくりは他人の力を借りることで飛躍的に効果が上がります。違う視点でものごとを見れるからです。
ですから、最初にできたフローチャートは誰か信頼できる人に見てもらいましょうね。そうすると、いいものができますよ。
まとめ:一つのミスを減らすことに集中
たくさんミスをすると、とっても苦しい思いをします。そして、何から修正すればいいかもわからなくなりますよね。でも、大丈夫。まずは、とっつきやすい失敗からフローチャートを作りましょう。一つのミスを減らすことに集中し原因を探るんです。そうすると、その原因が他にも共通することがあります。それに気づければミスは劇的に減っていきます。
繰り返し言いますが、ミスというのは同じ原因で起きていることが多いです。ですから、まず一つを解決するように動いてくださいね。
失敗と向き合うのは体力を消耗する作業です。体調が不安定になることもあります。そういうときは休憩を挟むようにしてくださいね。そして、必ず誰かに意見を聴きましょう。信頼できる人が良いです。そうすることで余計な苦しみに自分をさらさなくて済むようになりますからね。
また、体調が悪い中、就業して頑張っている点はしっかりと自分を褒めましょう。これは重要です。はたから見るとわかりにくいですが、うつ病を患いながら頑張るって本当に大変です。ですから、ミスしたとしても働いていることを褒めてくださいね。
徐々に徐々に体調は回復していきます。思考力も体力も全部です。ですから、あきらめないで前に進んでくださいね。