2017/04/02

「うつ病です」と障害申告して就職するオープン雇用。病歴が長い時などに視野に入れてほしい

うつ病を患った後に離職する。こういうケースは少なくありません。この場合、一番最初に直面するの再就職の壁。治療を施しても、なかなか良くならない難治性のうつ病だと寛解したとしても職場でのストレスで再発することが多い。そのため、一般求人で就職することが難しい状況です。

そういう時に視野に入れてほしいオープン雇用という制度。自分の精神疾患を公表した上で就職活動をし、障害者枠で就職する。今回は、その選択肢についてご紹介します。

オープン雇用とは

オープン雇用とは「障害をもっていることを企業側に申告して就職する」ことをいいます。ただ、この制度はうつ病だけに限られたものではありません。世間一般的に「ハンディキャップがある(障害のある人)」と呼ばれる人は、この選択肢を選ぶことができます。障害を持っている人たちを大きく3つに分けると以下になります。

  • 知的障害
  • 身体障害
  • 精神障害

うつ病の場合は、精神障害に該当されますね。

オープン雇用を活用できる条件

このオープン雇用を活用するには一つ条件が必要です。それは「障害者手帳」を取得していること。この手帳であなたを障害者だと証明するんですね。ですから、うつ病を患っているけど障害者手帳を持っていない場合は、まず障害者手帳の申請から始めることになります。

障害者手帳は3つに分かれます。それは

  • 療育手帳
  • 身体障害者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳

です。うつ病の場合は、精神障碍者保健福祉手帳が該当します。手帳の分類は以下の表を参照してくださいね。

手帳名 障害や診断名
療育手帳 知的障害
(認定区分は地方自治体で若干ことなります)
(東京の場合は4度に区分)
身体障害者手帳 身体障害
(9つの障害が申請対象)
(障害程度は7等級で区分)
精神障害者保健福祉手帳 精神障害
(精神疾患全般対象)
(障害程度は3等級で区分)

精神障害者保健福祉手帳の取得方法

精神障害者保健福祉手帳は初診から6か月を経過してからでなければ申請することができません。6か月過ぎたのちに申請する場合の取得方法は以下の流れです。

  1. 区市町村の障害福祉担当窓口で相談し、説明を受ける
  2. 必要書類を準備し市区町村の障害福祉担当窓口に提出し申請
  3. 申請内容に不備がなければ審査に入る
  4. 審査で障害等級が決まる(1級~3級)
  5. 審査終了後、約2か月程度で発行され手元に届く

流れは簡単ですが、うつ病の症状が酷い時は一人でやるのが大変だと思います。そんなときは信頼できる人に付き添ってもらうのがいいですね。もちろん代理申請も可能です。委任状などが必要になりますので協力者に区市町村の障害福祉担当窓口に聴いてきてもらいましょう。

必要書類について

必要書類は区市町村にしっかり確認してくださいね。区市町村で多少かわりますが大体は以下の書類で申請ができます。

  1. 障害者手帳申請書(窓口でもらえる)
  2. 障害者手帳用診断書、もしくは年金証書の写し
  3. 本人の写真
  4. 印鑑
  5. あて名の書いた郵便はがき
    (交付予定日の通知を希望する人のみ)
  6. 個人番号カード、もしくは通知カード
  7. 身分証明書(運転免許証、健康保険証など)

診断書の注意点

また、障害者手帳用診断書は主治医に書いてもらう必要があり、費用がかかります。費用は病院によってことなるので病院に問い合わせしてみましょう。1000~3000円というのが多いですが、まれに5000円取られたという話もあるようです。

<外部サイト>精神障害者福祉手帳の診断書の値段について_ヤフー知恵袋

また、診断書には2つの条件があります。

  • 医療機関での初診日から6か月以降に作成されていること
  • 作成日が申請日から3か月以内のもの

6か月経過が必要なのは、障害として証明するためなんです。精神障害福祉手帳をもらえる人は「精神障害のため、長期にわたり日常生活または、社会生活への制約がある方」です。そのため、「精神疾患が治療したにもかかわらず緩和されず障害としてのこったもの」と判断するために必要な期間とされています。

ですので、いくら急いでいても初診から6か月間は申請ができません。

その他の書類について

診断書以外の書類については、以下にまとめておきますね。

  • 障害年金を受給している人は診断書は不要
  • 本人写真は各市町村で指定される大きさが違う場合があります。しっかりと確認したのちに用意しましょう。
    (東京都の場合は縦4㎝×横3㎝で脱帽・上半身撮影です)

<追記>
障害者手帳と障害年金は別の制度であり、審査する機関が違います。そのため、別々に申請が必要です。

  • 障害者手帳・・・・厚生労働省管轄の地方自治体
  • 障害年金・・・・・厚生労働省所管の日本年金機構

障害手帳も障害年金も1級とか2級とかで障害認定を行うため誤解されやすいですが、全く別なのでご注意ください。ただ、精神障害の場合は、手帳と年金が同じ認定になることが多いため、さほど大きな問題にはなりにくいです。問題は身体障害者の方々です。身体障害では手帳は1級なのに年金は3級という場合もありますので、確認が必須です。

<追記>

精神障害者保健福祉手帳を申請する場合、年金証書の写しより障害者手帳用診断書の方が審査は早く通るそうです。

手帳交付までにかかる時間は、「手帳用の診断書を添付して申請する場合」と「年金証書や振込通知書で申請する場合」とでは、診断書を添付して申請した方が早いです。診断書を添付する場合は、1ヵ月半~2ヵ月ほどですが、年金証書や振込通知書だと3ヵ月ほどかかります。(発行自治体によって異なります。)年金証書などの方が時間がかかる理由は、発行自治体が年金機構に障害年金受給の事実を確認してからでないと手帳の審査に入れないからです。
引用元:いいづか障害年金オフィス 障害年金と障害者手帳のページ

ちなみに、身体障害者手帳の申請の場合は年金証書+診断書が必要ですので精神障害者保健福祉手帳と違います。その点は注意が必要です。

手帳には有効期限がある

また、精神障害保健福祉手帳などの障害手帳には有効期限があります。精神障害保健福祉手帳の場合は2年です。それ以降も症状が緩和されず障害手帳が必要な場合は更新する必要があります。

更新するときも初回申請時と同様の書類+手持ちの障害手帳が必要になります。また、この時の症状の状態によっては等級が変わることもありますので注意しましょうね。

発達障害が原因のうつ病の場合

発達障害が関係しているうつ病の場合は、療育手帳が申請できる場合もあります。これについては主治医とよく話し合うといいでしょう。

ただ、現在かかっている病院による診断では療育手帳は申請できません。別の機関での診断が必要になります。それは

  • 18歳未満なら「児童相談所」
  • 18歳以上なら「知的障害者更生相談所」

という場所で実施します。申請の手順は

  • 市区町村の障害保健福祉担当窓口にて相談、説明を受け書類をもらう
  • 判定をしてもらうために該当期間に電話予約をする
  • 予約日に判定してもらう(面接・聞き取り調査)
    (予約日までに必要書類をそろえておく必要がある)
  • 認定されたら約1か月後に郵送で通知が届きます。

療育障害認定に必要な書類

療育障害認定に必要な書類は以下です。

  • 印鑑
  • 写真
  • 手帳類(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳など)
  • 母子手帳
  • 診療情報提供書、診断書、お薬手帳など
  • 健康保険証

また。本人だけでなく、家族などの本人が小さいころの様子が説明できる人が同行する必要があります。同行してくれる方がいない場合は、必要情報を収集し、福祉事務所などの方と判定に立ち会うことになります。

療育障害認定は必要か?

療育障害手帳は必要性ですが、適切な補助や配慮を企業側に求める場合は、持っていた方がいいでしょう。証明できない障害については配慮されない場合があります。

せっかくオープン雇用で就職しているのに必要な配慮がもらえないのならばメリットは半減してしまいます。ですから、適切な診断や判定をもらい、必要な情報を企業側に開示するようにした方があなたのメリットにもなります。

このような流れで障害手帳をてにしていれば、オープン雇用を選んで行うことができます。

障害者手帳のメリット

今回はオープン雇用をする時には障害者手帳が必要ですので申請しましょうね。と紹介しています。ですが、障害者手帳を取得するとオープン雇用を活用できる以外にもメリットがあります。それは以下です。

  • 等級によって税金が軽減される
  • 公共料金の割引サービスを受けられる

障害を持っているとフルに働けないことが多いため、このような優遇処置があるんですね。障害者手帳に関するメリット・デメリットは別記事で詳しく説明したいと思います。

国が推進している障害者雇用

では、なぜオープン雇用というものがあるかを説明していきましょう。

世の中にある会社は、ある一定の規模を超えると障害者を雇用しなければいけないという義務を背負うことになっています。この義務がオープン雇用を作っているんですね。これは、うつ病になるまで障害ということに関係が薄かった人はあまり知らない人がおおいですよね。私も全然知りませんでした。

「障害者を雇用しなければいけませんよ」という制度は、障害者雇用促進法という法律で決まっています。そして、その法律の中の「法定雇用率」という決まりで雇用する人数を決めているんですね。法定雇用率は具体的にいうと以下の表で示される内容です。

民間企業 民間企業・・・2.0%
(従業員数50人以上)特殊法人・・・2.1%
(独立行政法人など)
(国立大学法人など)
公的機関 国、地方公共団体・・・2.1%

教育委員会・・・2.0%

例えば、

  • 従業員100人の民間企業の場合は、2人の障害者を雇用する
  • 従業員100人の教育委員会の場合は、2人の障害者を雇用する
  • 従業員1000人の独立行政法人の場合は、21人の障害者を雇用する

といった形になります。

大きい会社に勤めていた人は、同僚に障害を持っている方がいらっしゃったと思います。それは、この制度があるからなんですね。

また、障害手帳を持っている人でないとこの制度の人数換算に数えることができません。そのため、障害者雇用というのは障害者手帳を持っていないと採用されないんですね。

もちろん、障害の証明の意味が一番強いんですけどね。

<補足>
自分の就業場所が条件を満たしているのに障害者が雇用されていない場合も違法ではありません。その場合は、不足人数分はお金を納付することで免除されています。

<追記1>
精神障害者(うつ病や躁うつ病、発達障害や統合失調症)は平成28年3月末日まで障害者雇用にはなっていませんでした。それまでは、障碍者雇用の対象者は身体障害者と知的障害者のみだったんです。社会情勢の変化や精神病患者の増加を背景に精神障害者も障害者雇用に含まれたんですね。

<追記2>
障害者雇用促進法が平成25年に改正されました。そして、それが施工されたのが平成28年4月1日からです。それから、精神障害者も障害者雇用の仲間入りを果たしております。そして、法改正に伴い障害者差別禁止の文言も盛り込まれたため、障害者達が苦しめられずに働ける環境を整備しようとする動きが加速しております。

<追記3>
厚生労働省の「平成26年障害者雇用状況の集計結果」によれば平成26年の障害者雇用で働いている人は約43万人といわれています。そして、内訳は

  • 身体障害者:約31万人
  • 知的障害者:約9万人
  • 精神障害者:約3万人

です。まだまだ精神障害者の雇用率は少ないですが、これから徐々に伸びていくと考えられています。ですので、あなたのチャンスもすぐそこにあります!!

オープン雇用のメリット・デメリット

さて、では障害者雇用(オープン雇用)のメリットとデメリットを見ていきましょう。それをまとめると以下のようになります。

メリット
  • 不得意な部分を配慮してもらえる
  • 通院や服薬を考慮してもらえる
  • 支援機関の援助を受けられることがある
  • 障害を会社側がわかっているため
    相談しやし
  • 理解があるため離職率が低い
デメリット
  • 自分だけで探すのが難しい
    (まだまだ少ない)
  • 勤続年数が長くても待遇面や業務内容が
    変わらないことが多い
  • 新しい仕事に係わりにくい

会社側に障害内容を把握してもらい理解してもらえるます。そのため、一人で悩むこともなく、また無理な仕事をやらされることは限りなく低くなります。なにより病院にいく日を配慮してくれるのは良いですよね。精神障害をわずらうと少なくても月に1回は通院しなければなりません。それを認めてもらえなければ体調安定なんてできませんからね。

 

その反面、ルーティンワークや低負荷な業務が多くなるためスキルアップは難しいという面もあります。難しい仕事がない分、昇進や昇給もないことが多いというのは事実です。しっかりとメリットとデメリットを知っておきましょうね。

ただ、自分一人でオープン雇用を探したり、障害内容を的確に企業に伝えるのは難しいです。そのような時は転職エージェントを活用しましょう。今は障害者専門の転職サービスが充実しております。

たとえば障がい者求人紹介「ラルゴ高田馬場」障がい者求人サイトの「アイエスエフネットジョイ」などがあります。どちらも登録や相談は無料ですので、私たち側が損することはありません。オープン雇用に興味がある方は一度見てみるといいと思います。

オープン雇用を検討した方がいい人

では、どんな人が障害者雇用に向いているのでしょうか?私が考えるには

  • 業務上において配慮が常に必要である人
  • 新しい仕事を始めると体調が凄く悪くなる人
  • 暮らしを安定できれば昇給も昇進もいらない人
  • 体調の波が激しい人

がオープン雇用に向いていると思います。クローズ雇用(企業側に病気を言わずに就職する)で就業したことがありますが、やはり大変です。突然体調が悪くなることもありますので有給を気ままにとれるところじゃないとキツイ。また、周りに迷惑をかけるだけでなく会社に損失をあたえてしまうため、最悪解雇になる可能性もありますからね。

その点、オープン雇用で就業していればある程度配慮してくれるため有給は捕りやすいです。ツラい時に休めるなら体調悪化を最短で食い止めることができます。これは強いメリットですよね。

障害年金をもらっている場合

現在、障害者年金をもらっている人もオープン雇用はとても良い就職です。内容によっては、障害年金をもらいながら就業することが可能なんですよ。ただ、全ての障害年金がストップしないわけではありません。

それを説明するために障害年金のことを復習しておきましょう。障害年金は厚生年金加入者と国民年金加入者に分かれます。そして、それぞれにおいて障害年金がちょっと違います。

障害年金は厚生障害年金の場合、

  • 1級:就業不可、一人での日常生活は無理
  • 2級:就業にかなりの配慮が必要、一人での生活は援助者がいれば可能
  • 3級:就業に配慮が必要、一人での生活はできるが困難なことがある

と定められます。障害基礎年金(国民年金)の場合は

  • 1級:就業不可、一人での日常生活は無理
  • 2級:就業にかなりの配慮が必要、一人での生活は援助者がいれば可能

の二つしかありません。詳しくはうつ病になったら知っておこう障害年金というセーフティーネットを参照してくださいね。

この年金の種類のうち、オープン雇用をしても支給してもらえる可能性があるのは3級の障害年金です。ただ、就労によって得た賃金は申告しなければいけません。給与によっては障害年金の金額がさがることもありますので注意してくださいね。

また、2級の場合でも就労OKなケースがあるという情報があります。ただ、これはネットだけの情報なのでまだ信憑性は高くありません。信頼のおける情報が入り次第、追記しますね。

このように、障害年金と併用できる場合もあります。ですから、オープン雇用を検討するメリットは沢山あるんですね。

<注意>
障害年金をもらっている人でオープン雇用を検討している方は、日本年金機構にまずは相談しましょうね。早合点で、障害年金は止められないと思っていてもタイミングによっては就業=ストップという判断になることもありえます。何事も確認と慎重な判断が必要です。

まとめ:今やれることを今できる範囲で!そうやって乗り越えて!

うつ病治療は「やれることをやれる範囲でやる」ということの繰り返しになります。ただ、この「やれる範囲」というものが中々広がらなくて苦しんでしまうこともあるんですよね。そういう時は、今の自分の現状を受け入れオープン雇用を選択するのも一つの手だと思います。

一昔前は差別や偏見がありました。でも、今ではオープン雇用で楽しく元気に働いている人は沢山います。そういう人達につづいてあなたも新しい就業にチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。

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著者:モン介

雪の降る地域に住む、のほほんマイペース男子。 寝ることが好きで布団が親友、でも、気持ちい日差しも親友です。 うつ病に苦しみながらも、様々な人の力を借りて何とか克服。 現在は楽しく毎日を過ごしています。そんな経験が同じような苦しみを持つ人の力になれるよう活動します。

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