せん妄(せんもう)とは|精神的に混乱した状態をいいます

豆知識
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せん妄(せんもう)とは、精神的に混乱している状態のことをいい「感情的に不安定(怒りやすい興奮しやすいなど)になる」「幻覚や錯覚が起こる」「会話が成り立たない」「やる気が起きずボーっとする」などの様々な症状がでることをいいます。ちなみに病名ではなく状態を指すことがおおいです。

本記事では、このせん妄(せんもう)についてわかりやすく説明していこうと思います。

せん妄の症状とは

主に以下のような症状がでます。すべての症状がでるわけでなく、一部だけしかでないことも多いです。

  • 認知機能の低下や混乱
  • 感情の乱高下
  • 睡眠の異常
  • 幻覚・錯覚・妄想

一つずつ説明していきます。

認知機能の低下や混乱

せん妄状態になると一時的に認知症のような認知力の低下が起きることがあります。見当識障がいのような症状もでるため、今どこにいて何時なのかというのもわからなくなるケースがあるんですね。

簡単か考え事やいつもやっている行動がわからなくなるようなこともあります。せん妄による認知機能の低下は改善するといわれているのが特徴ですです。

重症化すると会話が成り立たなかったり、突然意味不明のことを話し始めることもありますが、せん妄状態が改善すると治ります。

感情の乱高下

せん妄状態になると、人が変わったかのように感情的になることがあります。些細なことでもイライラしたり激昂したりすることもあるんですね。

逆に気持ちが落ち込んで何もやる気がおきなかったり、感情が動かずにボーっとしている状態になる人もいます。

睡眠の異常

睡眠も不安定になります。不眠症になるだけでなく、就寝中に身体をよく動かしたりするなど落ち着かないようになることがあります。

日中の覚醒レベルも悪くなり寝ぼけたような様子が続くこともあるんですよね。

幻覚・錯覚・妄想

一時的にではあるのですが、現実的に起こらないようなことが起きたと錯覚したり、見えないものが見えてしまったりする症状がでます。

健康な人が急に「あそこに人が座っているよ」とか「虫がいる、、、」なんて言い出すと非常に不安になるかもしれませんね。でも、せん妄状態でなくなれば幻覚や錯覚も起きなくなるので安心してください。

せん妄状態に起きた幻覚や妄想が通常状態になっても記憶され「あれは現実だった」と話す人もいます。しかし、多くの場合は詳しく状態を説明することで「現実ではなかったんだな」と認識することができるのが特徴です。

せん妄のタイプは3つ

せん妄は大きく分けると3つのタイプに分けられます。

  • 過活動型
  • 低活動型
  • 混合型

名前の通り活動量が異常に増えるタイプと異常に減るタイプ、混ざってでてしまうタイプがいます。活動が減る分には生活上に問題はあまり起こりません。問題となるのは過活動タイプが多いですね。

夜間せん妄とは

夜間せん妄とは、せん妄のような症状が夜間帯にでることをいいます。人によっては日中帯は普通なのに夜間になるとせん妄になる人もいるんですね。

夢遊病のように夜に歩き回ったり、独り言を言いつづけたり、見えないものが見えて怯えたりするような症状がでます。

これも病名ではなくて症状を表す名前ですね。

せん妄が起こる原因

せん妄が起こる原因は以下の3つにわかれます。

  • 物理的要因
  • 心理的要因
  • 加齢的要因

詳しく説明していきます。

直接的要因

「病気を患った」、「治療のために薬を開始した」などの要因でせん妄がでることがあります。特に向精神薬など強い薬をのむとでることがあるんですね。

病気が治ったり、薬剤を調整することで症状がでなくなることもあるので医師と相談していくのがいいでしょう。

心理的要因

大きなストレスがせん妄の原因になります。特に身体が疲弊していたり、睡眠がとれていなかったりなど疲れ切っている状態だとちょっとした精神的ストレスでもせん妄状態になることがあるんですね。

引越しした、入院した、大事な人がなくなったなど様々なストレスが原因になることがあります。

加齢的要因

歳を重ねることで、せん妄状態になる可能性が高くなります。高齢になるとストレス耐性や体力が低下しているため、些細な出来事でもせん妄になることがあるんですね。

誤解を恐れず簡単に言えば、若い人よりも高齢な人のほうがせん妄になる確率は高いです。人によっては入院しただけでせん妄になることがあるくらいですからね。

認知症と勘違いされることもあるので気になる症状がでたときは必ず受診するようにしてください。今は物忘れ外来など認知症専門の医療機関も増えているので、そこを受診しましょう。

せん妄の症状がでたときの対処法

必ず受診するようにしてください。せん妄自体は時間の経過とともに症状がでなくなることもあります。ですが、大きな病気が隠れている可能性も高いです。

脳の誤作動で起こるのがせん妄ですから必ず検査をしましょう。

病気などがなくても医師と相談し薬物治療をするか、ストレスを軽減した療養生活をする必要があるでしょう。素人判断で「大丈夫」なんて思わないように注意してくださいね。

まとめ

いかがでしたか?せん妄というのは突然起きるものです。急なことで周りの人は大きな戸惑いと不安に苛まれてしまうことでしょう。

大事な人がそのような状況になったら必ず受診を勧めてください。自分自身が「あれ?変だな」と思っても同じです。必ず受診してくださいね。

せん妄という症状は適切な対応と処置をすれば、ほとんどの人が改善します。怖がらず適切な対応をしていきましょうね。

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