よくうつ病の症状を調べたり、簡易検査問診をためすと「あなたはうつ病の可能性」がありますって出ることが多いです。結構ゲンキな人でも「うつ病かもしれません」と簡易検査結果がでることがあります。
そんな状況があるからでしょう。ネットや巷では、「あんな問診じゃ誰でも、うつ病になっちゃうよ。そんなん病気じゃない」と思ってしまう人が多くいることも現実です。
ですが、こういう風に「うつ病は病ではない」と思ってしまうと、実際に苦しい思いをしたときに発見がおくれ治療が長引くケースも存在します。そう、頑張りすぎちゃった人ほど治療期間は長くなるのです。
だから、「うつ病の症状は誰でもなるんだ。だから、きにすんな!」って人ほど要注意!!
実際に、どんなふうに要注意をするべきなのかを説明します。
うつ病の症状ってどんなものがあるのか復習しましょう
さて、まずうつ病の症状を簡単におさらいしましょう
うつ病の症状は
- 抑うつ気分(憂うつで元気が出ない、楽しくない、気分が重い)
- 何をしても楽しくない
- 楽しめていた趣味が楽しめなくなった
- 疲れているのに眠れず疲労が回復しない
- 目覚めが早く、何度も寝ることになる、もしくは、睡眠時間が減ってしまう
- イライラする
- 焦燥感が強くなり落ち着きがない
- 自責が多くなり何でもかんでも自分を責めだす
- 自分には価値がないと思ってしまう
- 思考力が落ちる
- 死にたくなる
- 人生に魅力が感じられない
- ・・・etc
です。これ以外と元気な人でも感じることはあります。すごく嫌な出来事に直面したり、仕事で大きな失敗をしたり、理不尽な待遇を押し付けられたり、最愛の人が浮気したり裏切ったりなど、人のココロはいつでもジェットコースターです。
ですが、そんな気分の浮き沈み、思考の低下を経ても病になるか病にならないか分かれます。
同じ出来事が起きたときに、病に伏してしまう人と病に落ちない人。これは一概にココロの強さで言い切れる問題ではありません。どんなに屈強な人でも病に伏してしまうことは必ずあります。だから、苦しくてつらいのは自分が弱いからだとか思わないでくださいね。
さて、話を戻しますが、この症状、病かどうかを診断するにはある2点の基準が重要となってきます。
うつ病の症状で特に注意してほしい二点
この重要な基準は、しっかりと説明されているにもかかわらずちゃんと認識されないことが多いのでぜひ覚えてほしいことがらです。
症状が出続けている期間
まず、その一つは「症状がでつづけている期間」です。基本的な話では「症状が2週間以上継続して、ほぼ毎日、一日中絶え間なく感じられるかどうか」が病であるかどうかの診断基準となります。
これ、ちゃんとわかっていないで症状だけが独り歩きするんです。かくいう私も勘違いしてました。こんな症状はいつでもなるし、いつか忘れてしまう症状だと思っていました。
でも、その症状が緩和されず毎日、一日中悩まされだすと病の可能性が高くなるのです。ただし、ここでも「可能性が高い」というだけで病気だと確定できるものではありません。その点はご注意を。
この話に関しては厚生労働省のHPにもはっきりと明記されています。
次のような症状のうちいくつかが2週間以上ずっと続く、というものがあります。ひとつひとつの症状は誰もが感じるような気分ですが、それが一日中ほぼ絶え間なく感じられ、長い期間続くようであれば、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。(厚生労働省 みんなのメンタルヘルス)
ちゃんと「2週間以上ずっと続く」「一日中ほぼ絶え間なく感じられ、長い期間続く」と書かれていますよね。しかし、病について詳しくない人はここを知らないことが多い。
症状の重さ
次に重要なのは症状の「重さ」です。ここがけっこう議論をよぶ部分になります。気分の変調は誰でも客観的に数値化して表すことはできません。そのため、主観となるのが一般的です。
そうすると本人にとってはかなりツラい症状でも、周りからすると大したことなさそうに感じる場合がでてきます。
最悪な組み合わせとしては「我慢強い人」vs「相手の痛みがよくわからない人」。これの組み合わせのときは病の発見が遅くなります。
また、傲慢な人とうつ病患者では話は平行線になります。絶対に交わりません。
ともなれば、この症状の重さはどう判断したらいいのか?答えは自分が「耐えられるか耐えられないか」です。ココロの病が急激に進行するのは「自分では耐えられない」と思った時です。
だから、ほかの人はこんなことを苦にしないとか、先輩は、こんなこと笑い飛ばすとか考えて症状が出ているのに無視するのはダメです。自分がツラいと思ったら、「ツラい」のです。
自分の感覚をしっかりと覚えてください。信じてください。周りの意見に左右されてはいけません。自分がツラいと思ったらツラいでいいのです。
このように、症状が2週間以上つづき、毎日、一日中その症状になやまされ、自分がツラいと感じたら病気の可能性が高いので受診をお勧めします。
簡易検査はあてにならないのか?誰でも病にされてしまう?
このように症状を甘くみて「うつ病はあまえ」って思っている人ほど自分が病におそわれたときに取り返しのつかない状態まで追い込まれます。どんなに屈強でもツラい時はあると知っておくことが大事ですね。
ただ、うつ病を甘くみている人は簡易検査を馬鹿にしている時があります。この簡易検査は比較的おおくの人がうつ病の可能性があります。とでるのも事実です。
だから、「元気な俺もうつ病の可能性があるのであれば、簡易検査などあてにならん。」って思ってしまう気持ちもわかります。ですが、もともと簡易検査の仕組みをしっかりと理解してほしいのです。
命の尊さから適応範囲が広くなっている
そもそも簡易検査とはいろいろな意味を込められて作られています。「だれでもうつ病の可能性があるのですよ」と広める意味も含まれているのですよね。さらに、うつ病に気づかず自分を追い込む人ほど最悪な結果になってしまい命を捨ててしまう結果になることもあります。
そんな最悪な結果を防ぐためにも適応範囲は広めにできています。
取りこぼしを減らそうとした結果
このように取りこぼしを少しでも少なくするために作られているため、結構おおくのひとが病気の可能性があるとでます。しかし、それにより大事な命が救われる可能性があがるのも事実。
検査をして、大丈夫と思える笑い飛ばせる人は大丈夫。そんな人は簡易検査を忘れればいいだけです。ただ、簡易検査結果をみて「やはり病かも」とおもうのであれば受診した方がいいのです。
大は小をかねるではないですが、取りこぼしをひとつでも少なくするためには制度は多少下がることに目をつぶらなければなりません。うつ病は早期発見で治療期間が劇的に短くなるのですから。
うつ病の症状を知っとくメリットとデメリット
このように症状をしったり簡易検査をしておくことで、うつ病を未然に防ぐことができます。これが最大のメリットですね。誰でもなる可能性がある。早期発見は治療期間を短くできる。精神が弱いからうつ病になるわけではない。とわかっていれば最悪な結果を見なくてもすみます。
デメリットとしては、うつ病を甘くみる人が出てしまうこと。なると本当に怖い病だというのは実感できますが、体験するまでよくわからないのがうつ病です。気の持ちようでなんとでもなると思ってしまうと深みにはまります。
甘くみるのだけは絶対にやめてくださいね。
ここでよく、「病気じゃないのに病気だという奴が増えて困る」と主張する人もいます。そのような人たちはうつ病の情報拡散や簡易検査を嫌っていたりする傾向が強いです。ですが、病気だと主張する人はうつ病かもしれません。またうつ病でなかったりにしろ、違う病に侵されている可能性は高いです。日常生活ができないくらいツラいというのが精神病か精神病じゃないかの基準でもあるのです。
そういう人は、うつ病を皮切りに、本当の病を見つけるチャンスになる場合にもなります。
まとめ:うつ病の症状を知り、事前予防を考える習慣を持ってください
このようにうつ病から遠い位置にいる人は比較的あまく考える傾向があります。しかし、そういう人ほどいざという時に気づくのが遅くなりうつ病を悪化させてしまうことになります。
なんども言いますが「うつ病は早期発見で、治療期間が劇的に縮まります」このことは忘れないでほしい。そして、悪化し、重症化すると命を脅かす病になることも忘れないでください。
誰でもなる病気がうつ病です。そのため症状も健康な人でも体験するものが多い。ですが、キーワードは2週間以上症状がでるです。2週間以上症状が、毎日、一日中症状がでて、自分がきついと思えば心療内科や精神科をいちど受診するのもいいと思います。
予防と思えば考えも緩和されると思います。
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