一日を疲れを取り除くために必要不可欠の睡眠。健康を守るためにも日々の活力を引き出すためにも良質な「眠り」は重要です。
しかし、最近は安眠できない人がどんどん増えているようです。筆者のところへも相談がきます。
完璧な眠りを手に入れるには適切な行動とちょっとしたコツが必要です。今回は繊細な人たちが陥る不眠について触れつつ、より良い眠りをするための方法をご紹介します。
眠りのメカニズム
睡眠は覚醒力と睡眠欲求のバランスで引き起こされます。両方が綱引きをしているような状態であり、覚醒力が優勢なときは目が覚めますし、睡眠欲求が勝っていると眠気が誘発されて眠りに落ちます。
この覚醒力と睡眠力を調節しているのが「体内時計」と言われるものです。
体内時計とは|生体機能を調節するすごいヤツ
体内時計とは、生体機能を調節し体が活発になるようにしたり休んで回復するようにしたり調節します。
日中は活動的に動けるように、脳の温度を上げます。また、メラトニンという睡眠を促すホルモンもストップさせて覚醒力が優勢な状態を作り出します。
就寝2時間前くらいになると、体内時計は脳の温度を下げ始めます。合わせてメラトニンホルモンの分泌を開始して眠気を誘発していくんですね。
体内時計は24時間より長い周期で働いています。そのため、朝起きたときに太陽の光などの強い光を浴びてリセットしないとリズムが狂ってしまいます。
眠れなくなる原因
眠れなくなる原因は簡単です。体内時計がくるってしまったんですね。なぜ体内時計が狂ってしまったんでしょうか。体内時計を狂わせる行動をまとめてみましょう。
- 生活リズムが崩れた
- 日中帯に身体を動かす時間が足りなすぎる
- 強い光を浴びる機会が増えすぎた(スマホ、PCのディスプレイ、照明など)
- 大きなストレスを抱えることが増えた
- 不安を感じる情報をたくさん受け取るようになった
- 悩むことが増えた
- 単糖類など非常に吸収されやすい糖類を多く含んだ食材が増えた
- 食物繊維の摂取量が減った
- 過度なダイエットをやる人が増えた
一つ以上当てはまるものがあったと思います。それほど現代社会は睡眠の質を下げる行動をやりやすい環境にいるんですね。
より良い睡眠を手に入れる方法
では、睡眠の質を上げるためにはどうしたらいいでしょうか。それも簡単です。「体内時計を整える」ことができればいいのです。
- 適度な運動や体を動かす時間を作る
- 食事の栄養バランスを整える
- 朝イチで日光を浴びる、朝一でなくても起きたら太陽の光を浴びる
- カフェインなどの興奮作用のあるものを午後に接種しない
- ストレスをため過ぎない
- 胃腸、肝臓など内蔵に負担をかけない
(消化しにくいものは適量にする、お酒を大量に飲まないなどが大切) - 体温低下をうまく活用する
- ブルーライトをカットする
- リラックスタイムを確保する
- 就寝ルーティンを作る
実行できそうなものはありましたか?一つでもいいです。今取り入れられるものを取り入れましょう。少しずつ変化を起こすことで睡眠の質は徐々にかわってきます。
劇的な改善を求めると失敗する
睡眠の質が悪くなると疲れがとれなかったり、「寝た!すっきりした!」という感覚が得られなく非常に辛い思いをしますよね。感情も暗くなり思考もネガティブになりがちです。
そのため、睡眠の質を改善したいという人は「すぐにでもどうにかしたい!」と劇的な改善を求める人が多いです。
残念ながら、睡眠の質というのは劇的な改善はなかなかおきません。睡眠薬のように即効性はないのです。(睡眠薬は睡眠の質をあげるものではありませんので悪しからず)
「失敗してもいいや」「ちょっとずつ変えていこう」くらいの心持ちで、できることからトライしていくのがおススメです。
体調が悪くて頑張れない!何もできない!!ってときは、休憩が必要なときです。睡眠の質をあげることは考えず、ゆっくり横になって休んでおきましょう。
何からはじめたらいいかわからない。という人は「太陽の光を浴びる」か「リラックスする時間を作る」というのからトライしてみましょう。
1日1回光を浴びるのでもいいです。1日1回好きな良い香りを嗅いで深呼吸をするでもいいです。今できる最低限をやり始めてくださいね。
まとめ
睡眠不足が進むと心身に支障をきたします。睡眠時間が確保されているのに、あまりに眠れない、眠っても疲れが取れないという状況なら「睡眠の質」は悪くなっているでしょう。
人によっては、睡眠時無呼吸症候群という就寝中に呼吸が止まっている症状がでている可能性もあります。あまりにもひどい疲労感がでているようなら、一度病院にかかることは大切です。
睡眠の質が改善すると、一日の活発度が全然変わっていきます。毎日が少しでも良い日になるようにちょっとずつトライしていってみてくださいね。