うつ病の息子に「お前が悪い」といわれたとき親ができること

弱っている人へ
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iphone_braek先日こんな話を耳にしたんです。愛するわが子にうつ病になったのは「お前がわるい」といわれる話。そのことについてちょっと話したいと思います。

うつ病になった原因を探りすぎると行きつく先は親になる

うつ病になると治療を開始しますよね。さまざまな治療法のなかで心理療法の中にはうつ病になった原因を内省という自身のココロの中を振り返ってさぐるという方法があります。

うつ病になった大きい要因は会社によるストレスなのか、自分が抱え込みすぎる性格だからなのか、はたまた他人の依頼を断れないからなのかなど、さまざまな側面から原因を探っていきます。

そして、その原因の対処法を事前に考えておくことで次回直面したときに適応できる行動にしてストレス負荷をさげるというのが狙いです。ですが、この内省やりすぎるとてんで違う結論を導き出すことが多いです。

心理学系の本を読んでいるとわかると思いますが、基本的にメンタルヘルス疾患になる原因は親だと書かれていることが多いです。(以下の記事で説明していますのでお時間があったら読んでみてくださいね)

参考:うつ病は幼少期の育て方が問題だという見解は正解であり不正解

で、親が原因という結論になったとき親へと怒りの矛先が向かいはじめます。酷い人になると親を攻め立てたりするのですが、これは稀な話。私も心理学系の本を読んだときは「本当にそうなんだろうか?あたってるようで外れているような感じがするなぁ」という受け止め方でした。でも、メンタルヘルス疾患で苦しい思いをしている分、発散しにくい怒りの矛先が向き始めると怖いものです。

タイトルにもありますが、矛先が親に向いたときにわが子から辛らつな言葉を浴びせられることとなります。これは非常にツラいことですよね。

うつ病を患ったわが子にできることはそばにいること

ですが、怒りの矛先がいくら親に向いてぶつけてもわが子の症状はよくなることはありません。親としてはわが子としっかりと話をするしかできないのです。思い当たる節がある場合は、苦しませてしまって申し訳ない気持ちを伝えることもいいでしょう。

ですが、その謝罪の気持ちを伝えてもわが子は元気にならないのです。話をたくさん聞いて、わが子のつっかえが取り除かれ前を見て動きだせることを祈るしかありません。何より過去は変えられませんから。

親としてメンタルヘルス疾患に苦しむわが子にできることはあまりありません。ご飯を作ってあげたりするくらいでしょうか。でも、一番効果があるのは見捨てませんよ、という無言のメッセージだと思います。

メンタルヘルス疾患になるとダメな人間になったと自分にレッテルを張ってしまう症状がでます。自分の存在を自分が許さなくなるのです。そんなとき、親のあなたが無言のメッセージで見捨てませんよ。存在してくださいと伝えるだけで本人は安心することができます。

なので、なによりそばにいてあげることが重要です。といっても、腕をくんだりする必要はありませんし、すぐそばにばかりいなくても構いません。いつも通りに生活し、たまに話しかけ、わが子の話を聞きくだけでいいのです。

大事なわが子であっても自分が壊れそうなときは距離をとってください

とはいうものの、症状が重くなってくると怒りのあたり場もなくなってくるため親に辛らつに当たり続けることもあります。些細な過去のいざこざを思い出しては攻め立ててくることもあるでしょう。

親であるあなたは全部うけとめようと頑張るかもしれませんが、あなたも人間です。時には受け止めきれないこともあると思います。そんなときは限界を迎える前に距離をとる選択をしてください。

ただし、距離をとる前にわが子には「なぜ距離をとるのか」をちゃんと伝えてください。わが子のツラい気持ちはわかるけど、いま自分もツラいから一人の時間が欲しいというのでも構いません。

私もいまツラいのだと伝えるだけで相手は理解を示すでしょう。もし理解を示さない場合は、相手が自分勝手なだけですので気にせず距離をあけて問題ありません。

うつ病治療は原因より対処療法に切り替わりつつある

今は、うつ病の治療法が原因探しから対処法習得系の療法に切り替わりつつあります。ストレス源を潰すのではなく、うまく受け流す方法を身につけるのです。過去のツラい記憶に対しても自分なりの向き合い方を学ぶのが良いとされています。

一生自分の思い通りにことがすすむことはありません。自分がであう事柄の9割ほどは自分の嫌な方向に進むように世界は回っています。だから、その向き合い方を習得するのは大事なことです。

わが子から「お前が悪い」と責められ自分にも非があると思った場合は謝ったり、その時の釈明をしたりしてわが子と話し合いましょう。それでもことあるごとに蒸し返してきては「お前が悪い」といってくるようだった、前向きになりましょうと遠回しに伝えるのも一つの方法です。

身に覚えのない責任転嫁には記憶違いも混ざってる

もし、わが子からの叱責に対して身に覚えがない時は「そんなのは覚えてない」とはっきり言いましょう。そのことについて思い出すまで話し合うことが重要です。でも、いくら話し合っても思い出せないときは実はそんな記憶が間違っている可能性もあることを覚えておいてください。

私はこのことを心理カウンセラーである植木さんの本で知りました。

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かなり前ではありますが、アメリカで精神疾患に陥ったのは親の責任だと多くの訴訟が起こされたことがあったそうです。ですが、その訴訟のほとんどが記憶違いが原因だったことがのちにわかったのです。かなり驚きですよね。ありもしない虐待の経験などをカウンセリング中に思い出したかのように話し出した人もいたそうです。

実際に人の記憶というのは結構あいまいなものです。絶対に間違いないと思っていても間違っていることはかなりあります。ですから、身に覚えのないことで責められた時は「わからない」としっかりと伝えましょう。

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まとめ:自分の許容範囲で話をきき、適切な距離をとりましょう

体調がわるくなると人はイライラするものです。そのイライラのはけ口がない状態だと親密な人に八つ当たりしてしまうこともあります。そんなときは可能な限り温かく受け止めてあげてください。

親に対して負の感情を抱いておりそれをガツンとぶつけたときも、できれば受け止めてあげてください。そんなときは話し合いが必要です。わが子の話を時間が許す限り聞いてあげてください。それだけで、落ち着くことがほとんどです。

ですが、自分が苦しい時に無理して受け止めるのは逆効果です。そのときは、調子がわるいとわが子にしっかり伝え休んだり距離を開けたりしてくださいね。

わが子にとってあなたの存在は大切なものです。あなたにとっておわが子の存在は大切なものですよね。ガツンとぶつけられた言葉を打ち砕かず、それをきっかけに様々な話をできたら、それは素晴らしいことだと思います。

そうなるよう私は祈っています。

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